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ミニボート・2馬力ボートの安全性を見つめ直す その2

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プロフェッショナル ミニボートビルダー blog ~ 船体設計製造から安全装備を日々考える~

ミニボート・2馬力ボートの安全性を見つめ直す その2

前回に引き続き,ミニボート・2馬力ボートなど,小型ボートの安全性について考えてみたいと思います。今回は、少々怖い事ですが、『もし操船中に、船外機が故障してボートが流されたら・・・という海難・漂流に至る突発的事態と,そうした事態に対するオーパ・クラフトのサイド・フロート・ボートにおける世界最高水準の対策』を述べていきます。

ミニ・ボートの漂流は,実は意外に多数起きています。海上保安庁のウォーター・セーフティー・ガイドのページに掲載されている,「事故発生状況」(ウォーターセーフティガイド > ミニボートの安全情報 のページ内)によれば,海難種類別でみると,運行不能が 200 隻,海難全体の 48 % と約半分を占めています(2016年 〜 2020年の 5 年間累計)。その主な原因として船外機故障があったことが報告されていますが,小さな船は機関故障して推進力が失われると,船の前後方向の軸が波風の影響を受けて不安定になりやすくなります(物理的な理屈は異なりますが,こがない自転車が倒れる様子をイメージしていただければわかりやすいと思います)。安定性が失われると,ボートが波や風に振り回され,乗員の姿勢もボートや波・風の影響で不安定になり,落水や転覆の可能性が高まってしまいます。また,思ったような操船ができないので,漂流物や障害物を避けることも難しくなります。

実は、当社はサイド・フロート開発の企画段階から,こうした頻発する突発的漂流に対する対策を,設計に取り入れるべき最重要要因の一つとして捉えておりました。その理由は、もし船外機が不調になり小型ボートやミニボートが流されている時には、もちろんオールで漕ぐことで避難を試みるわけですが、そんな時に波風が強くなるなど海象が急に悪くなってきた際には、たどり着いた岸近くの岩礁でボートを擦ったり、最悪の場合は部分的に乗り上げてしまったりすることがかなり高い確率で発生するので,ボートや装備品の強度や転覆耐性が,乗員が生還できるか否かを左右する重大な要素になるからです。 

乗り上げや障害物との衝突の際,ボート本体の強度はもちろんですが,フロートなどせっかく安全を担保する装備品やその保持部に,波風や衝突による衝撃に耐えうる強度がなくて破損や装備流失があると,肝心なときに安全装備が機能しないという状態となり,乗員の生命をまもれなくなってしまいます。逆に言うと,両方ともに信頼しうる適切な強度や耐久性を有していれば、落ち着いて携帯電話などで救助の要請ができますし,救助を待つことができます。 

サイド・フロートを開発に着手した際,当社は,緊急事態の際にボートから乗員が投げ出されるか否かは、ボートの転覆を強力に防止し続ける高い能力を有するサイド・フロートが,確実に装着されている状態をいかなる時も保てるか否か,という点に大きく依存していると考えました。

それゆえに当社では,まずサイド・フロート本体に、こすれには破格に強い,世界的な一流品である米国ポリフォーム社製の防舷材フェンダーを採用しました。この資材なら,嵐による強風と高波があっても数億円する豪華なクルーザーを保護し続ける格別な能力を持っているという長期かつ多数の実績があり,強度や耐久性は折り紙付きです。 

加えて、当社のボート本体のみならず,フロートを支える金具や船体のフロート取り付け部には、数トンの衝撃荷重にも耐えうる頑丈な設計強度を取り入れ,各種の試験を繰り返し行い、設計の見直しを繰り返し行って現在に至りました。オーパ・クラフトのサイド・フロート・ボートは,これまですでに 10 年以上に渡り生産・販売し, 1,000 名を超える方にご利用いただいていますが、このフロート取り付け部やフロート金具において致命的破壊が発生したという報告はいまだに1件も発生しておりません。もちろん岩礁に擦ったくらいでフロート本体が裂けたといった報告も受けておりません。これについては、数億円のクルーザーの保護材ですのであえて言うに及びませんが。 

ところで,一口に強度と言っても,様々な切り口があります:1) 小さな力がかかるだけでボートからサイド・フロートが簡単に外れてしまわないか(静的荷重評価)だけでなく,2) 大きな力が瞬間的にかかることによりフロート本体や船体との取付部の部品,取付部の船体そのものが破損してしまわないか(衝撃強度評価),3) 長期間,繰り返し運用されるうちに部品内部に力が加わり続けて疲労し,突然破壊を起こさないか(累積荷重評価)。こうした様々な強度の評価のため,せん断強度試験を始め、衝撃強度試験、累積荷重試験(振動耐久試験)を積極的に取り入れ、社内外で様々な試験やその評価検討を何度も繰り返し,設計・製造上の機能・性能確保をしております。

実は,お客様には主に,総合的評価として上述の衝撃荷重試験によく似たデモンストレーションを行っております(福庭が船体を床に打ち付けたり,フロート取付部あたりにハンマーを打ち付けるところをご覧いただいたかたも多いかと思いますが,プラスチック製品に行われる標準的評価試験としては,鋼球を衝突させる実験手法が JIS で決まっており,それとよく似た試験をお客様の目の前で行っているわけです)。一見,かなり過酷なことをデモで実演しているように見えますが,設計強度や安全係数を高くとっているので,デモでおこなっている程度の試験でしたらオーパ・クラフトのボートはなんの問題もなくクリアできます(ただし,専門的な知見をもとにおこなっているデモンストレーションですので,一般のお客様は真似をしないようにお願いいたします。特に,船体に何かを打ち付けることは,場所によっては穴があいたり,FRPの層間剥離など内部構造の微小な損壊を招いて後日軽い衝撃で船体が破損したりすることが全く無いとは言いきれませんので,注意してください)。

世界最高水準の強度と耐久性を持つフロートを,世界最高水準の強度と耐久性を持つボート本体に,世界最高水準の強度と耐久性を持つ方法で接合する。この難しい課題を時間をかけてクリアできたおかげで,オーパ・クラフトのボートは,船体単体のみならず,サイド・フロート・ボートというシステム全体としても,高い強度と耐久性に基づく大きな信頼性を持たせることに成功しております。その科学的な理論を使った当社の「FRPの積層技術を活用し、転覆防止用フロートの装着を可能にした小型船艇の製造販売事業」は,国からも高く評価していただき、技術立県である【愛知県の優れたプラスチック技術】を用いた事業として、事業認定をいただいております。 

最近は,後付用サイド・フロートとして安い品物から高い品物まで様々登場しています。また,その設計や取付をユーザー様ご自身が行っている例も目にするようになりました。FRPボート用のサイド・フロートは,簡単に取り付けられて確実に安心感が得られる装備として注目が集まり,小型FRPボートには必須の装具という認識も広がっているようです。サイド・フロートに関心が集まり,利用が進むこと自体は,サイド・フロートつきの小型ボートを研究し,それを嚆矢こうしとして世に問うてきた当社としては,喜ばしいことです。しかし,商品の中には粗悪品も出回り始め,あるいは技術的に未熟な接続方法を採用しながら,その未熟さに自覚がなく,実際に水上に出て簡単に外れてしまった,壊れた,といってあわてる場合も増えているようで,海上保安庁など安全に関わる行政機関も危惧し始めております。各種の行政機関及び公益法人の委員会にて、『フロートの推進』を強くアピールをさせていただいておりますが、やはりここ一番の時にこそまさに頼りになる保護具ですので、多くの方々に,できる限り確かな品・技術のものを選んでいただきたいと願っております。 

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