ミニボートとは免許無しで操船できる長さ3m未満、エンジン出力2馬力以下のボートのことです。
正確には「船の長さ(L)が3m未満であって、動力の出力が1.5kw未満で、船舶安全法の適用除外となっている動力付き船舶」と定義されています。船の長さ(L)は,このクラスの船では全長に0.9をかけて出しますので、全長が3.3m未満なら,長さの面ではミニボートに該当します。
ミニボート技術指針とは、法的に船舶検査が無いミニボートについて一般社団法人日本マリン事業協会が技術的なガイドラインとして作成し、協会会員にこのガイドラインを遵守するよう奨励している、ミニボートの製造技術指針です。
この指針では、ミニボートの最低限度の安全性を確保することを目的に、ボートの復原性(波を受けたり乗員が身を乗り出したりして船が傾いた時などに安定した状態に戻ろうとする特性)、不沈性(人を載せたまま、水が船内に入ってきた状態にあっても、船が水に沈まない特性)構造要件、艤装及び固定装備要件並びに標示が規定されています。
当社のミニボートはFRP製ですので、リジッドボート用の技術指針に基づいております。
この指針は、業界関係者による健全なミニボートカテゴリの発展の確保という考え方から生まれています。ミニボートというカテゴリは、舟艇工業会時代の法改正で新たに船舶操縦免許の取得や船舶検査がいらず、気軽に利用できる水上移動手段用船舶ととして生まれました。製造時や使用時の定期的な船舶検査がありませんので、造船設計の専門家が関わっていなくても誰でも自由にミニボートを製造・販売できますが、一方で、ミニボートクラスの小さな船は、船舶検査がある大型の船に比べて安定性や復元性など問題のある商品が流通・使用される懸念がありました。そこで、船舶検査に替えて製造時の基準を業界が自主的に定めることでミニボートの利用の安全性を確保しようとしてきたということです。
この技術指針に適合したミニボートであるとマリン事業協会会員が確認した場合,そのミニボートに適合マーク(←リンクはマリン事業協会のサイト内の図にリンクしています)をつけることができます。確認やマークの貼付はマリン事業協会や日本小型船舶検査機構といった組織ではなく,あくまで会員事業者が自主的に行なうものです。ですので,このマークつきのボートの品質保証は日本マリン事業協会ではなく,製造者や輸入者が行います。
そもそも日本マリン事業協会とはどんな団体かというと、1970年に当時の運輸省(現在の国土交通省)から公益法人として認可を受けた社団法人日本舟艇工業会を前身とした団体で、現在はマリンレジャーの普及振興や安全啓発、環境問題等に取り組んでいます。当社(有限会社オーパ・クラフト)はミニボート賛助会員として参加しています。
なぜミニボートという言葉の定義やミニボートの安全性の技術的裏付けにマリン事業協会という団体が関わっているかというと、舟艇工業会時代の法改正で新たに船舶操縦免許の取得や船舶検査がいらず、気軽に利用できるミニボートというジャンルが生まれた際、船舶を管轄する現国土交通省の指導のもと、船舶検査に替えて製造時の基準を業界が自主的に定めることでミニボートの利用の安全性を確保しようとしてきたという経緯があります。技術指針には法的な拘束力はありませんが、日本国内でミニボートを製造・流通させている主だった事業者が会員として参加していますので、行政など関係者の意向も踏まえつつ、民間の自主的な努力でミニボートユーザーの安全と業界の健全な発展を確保しようとしてきたといえるのではないでしょうか。
こうしたことから、ミニボートの製造・流通の際、この技術指針に適合する艇であることはとても重要です。ですので、船の長さが条件に該当するオーパ・クラフトの小型分割式ボート(オーパ ライト3や2馬力の船外機をつけたオーパS3)は、JMIAミニボート技術指針に適合させて設計・製造しています。
しかし、技術指針の中で述べられている通り、この指針は最低限の基準を定めたものです。技術指針に適合しているというだけで、当社は満足していません。オーパ・クラフトでは、長年、ボートの利用の安全性、耐久性、利便性のバランスを追求しており、技術指針に定められた以上の機能・性能を先駆けて実現するべく、フェンダーフロートやウェーブブロッカーなどのオプション品のほか、船内構造や結合部の強度確保など、様々な工夫やアイディアをミニボート船体やそのオプション品のみならず、修理サービスなど付帯サービス、安全講習会などの安全啓発活動・社会貢献活動を含めて全力で注ぎこんできました。
水上活動の安全確保を願い、オーパ・クラフトは小型分割式ミニボート業界でトップクラスの安全性や耐久性、利便性をバランスよく実現したレジャー用・防災用ミニボートの供給を、これからも続けてまいります。