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ミニボート、2馬力ボートの安全性を見直す

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プロフェッショナル ミニボートビルダー blog ~ 船体設計製造から安全装備を日々考える~

ミニボート、2馬力ボートの安全性を見直す

オーパ・クラフトの二分割ボートはいわゆるミニボート・スモールボートといわれる,小さなクラスの船ですが、乗船いただく方々の命を預かるわけですから,数々の安全のための工夫を設計段階からこらしています。

例えば,船体の前部と中部に発泡素材が詰め込んである浮力体が設置してあり、船体後部にも同様に浮力体が設置してあります。この浮力体の大きさや形状,材質は,船の大きさ・重さに対して十分な浮力が確保できるよう計算して設計してあり,万一船内に水が入り,満水状態になったとしても,船体は水中に沈まず,定員内であれば人が船内にいたり船縁にしがみついていたとしても浮き続ける,いわゆる「不沈構造」という設計となっています。

浮力体配置図
船体の隅に浮力体を設置し,船の安定性確保をしています。

加えて,オーパのボートは,基本的に船の両サイドには大変頑丈なサイド・フロートが転覆防止用として付いているサイドフロートボートです。浮きフロートという言葉が示すとおり,サイド・フロートは文字通り浮力体です。しかも,オーパのサイドフロートの主要資材は,数億円のクルーザーを屋外で紫外線や雨・風に当たりながら何年にも渡り守り続けることが可能な、世界でも一流品として扱われている防舷材フェンダーですので、強度・耐久性は抜群です。前述の,船体そのものに設置してある浮力体とあいまり,乗船者のぐるりを頑丈な浮力体が囲んでいるわけです。もしボートに浸水しても、前後左右で船が支えられているので,縦軸方向にも横方向にも,ボートが大きく傾くことはありません。それゆえ,救助を求めたり,救助を待っている際も安心できます。

実は,小型ボートは,以前は不沈構造を採用している船はゴムボートを除き,あまりみられませんでした。特にミニボート,2馬力ボートは船舶検査や操縦免許が不要なことから,より気軽に乗ることができるボートとして人気となっています。水に浮かぶ箱としてのボートは,意図的にフロートをつけないかぎり,満水状態となれば沈んでしまいます。また,船体が薄かったり特定の箇所に力が加わる構造で破損しやすい船体は,そこから浸水するおそれがあります。大型の船であれば,こうしたことがあってもとざされた部屋がたくさんあれば,そこが浮力をもち,すぐに沈むことはありませんが,小さなサイズのボートはこうした構造上の優位性がありません。

このジャンルに長年取り組んできたオーパとしては,初期の頃から,浮力体を船体前後に取り付けてきました。こうした構造とすることは,製造に手間がかかり,販売価格にも反映せざるを得ませんが,気軽に乗りたいという人たちのために安全を軽視して激安・低価格でボートを製造・販売したいとは思ってきませんでした。市場では,浮力体のような安全装置がなかったり,あったとしても薄っぺらでちょっとした衝撃でこわれやすい,船体との接合部が安価ではあるものの外れやすかったり破損しやすい構造・材質のものが使われている,といったおかざりのようなものも目にすることがありますが,小型ボート,特に小さな2馬力ボート・ミニボートと言われるジャンルにおいてこそ、それを造るボートビルダー・クラフトマンとして,工夫を入れ込み、安心・安全なボートを世の中に送り出すことが責務だと考えて,現在の構造・材質を採用しています。

大きな船だから安心,国産だから安心といった,イメージ優先の考え方は,少なくともお客様,ご利用者様の命をお預かりする船の関係者としては当社は採用することはできません。またたとえ,当社が安全優先・品質第一で活動していたとしても,フロートを取り付けない,不用意に船内で立ち上がる,身を乗り出すなど,運用段階で安全軽視の安易な取り組みをされてしまうと,たとえ設計や製造がしっかりしていようと,事故を呼び寄せかねません。自然に対峙することの恐ろしさを肝に銘じ,利益優先,経済優先でなく安全を優先して考え,行動しなければ,万一のときに生命が守れないのです。設計者,製造者,運用者,ご利用いただく方,こうした船に関係するすべての人が,安全優先の考え方を持って,責任をもって役割をはたしていかなければいけないと,あらためて思い,しつこいくらいに,これからも社内に,そしてご利用者の皆様に,安全優先の活動・運用を呼びかけてまいります。

訓練で被災者を想定した人を水中から引き上げる
レスキュー用のFRP製サイドフロートボートの新艇 AW-69を使った水中からの引上訓練実演風景

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