価格見積書・パンフレット
ミニボート、2馬力ボートの安全性を見直す その4.2 〜オーパが使用する素材〜

blog

プロフェッショナル ミニボートビルダー blog ~ 船体設計製造から安全装備を日々考える~

オーパ・クラフト~~プロフェッショナル ミニボートビルダー blog ~ 船体設計製造から安全装備を日々考える~~~ミニボート、2馬力ボートの安全性を見直す その4.2 〜オーパが使用する素材〜

ミニボート、2馬力ボートの安全性を見直す その4.2 〜オーパが使用する素材〜

前回(ミニボート,2馬力ボートの安全性を見つめ直す その4.1 )で予告したとおり,今回は,当社が使用している FRP 素材について少し詳しくご説明します。

FRP 素材を構成する2つの原素材ーレジンとガラス繊維

FRP (ガラス繊維強化プラスチック)は,基材となるレジン(樹脂)と,骨材となる繊維の2種類の材料で構成されています。工業原料として FRP を利用するときは,この基材と骨材を組み合わせて成形していきます。骨材が入ることで,単一組成のプラスチックに比べ,はるかに高い強度を発揮できるようになります。

利用しているレジン素材とその評価

ところで,当社が FRP 製船体の中心素材として使用しているのは、レジン(ポリエステル樹脂)は日本ユピカ製,ガラス繊維は日東紡製の組み合わせです。

日本ユピカは三菱ガス化学と東洋紡によって設立された三菱ガス化学グループのメーカーで,現在,世界でも指折りの品質の樹脂を生産しています。レジン分野ではユピカの他にも,日本国内に昭和電工やDIC等の世界最高レベルのメーカーがあり,こうしたメーカーの樹脂は,鉄道車両や各種工業プラント、航空機、レーシングカー等の,高いレベルで安定した品質を求められる製品の部位に使用されているなど,日本が化学分野で世界の最高水準と評価される一翼を担っています。

オーパでも,高品質のボートを生産するため,こうした一流のレジンを使用しています。化学製品なので,季節や出荷ロットによって,物性にばらつきがあることを前提に,日々業者の出荷前検査結果の確認や,受入検査(試しにレジンを硬化させ,どれくらいの時間で固まるかなど)を行いつつ使用しています。こうした経験から,上述の日本メーカーの商品は,いずれも抜群の品質と安定性を持っていると評価しています。

利用しているガラス繊維素材とその評価

一方,ガラス繊維については日東紡の商品を使用しています。同社は1938年に日本初のガラス繊維の工業生産に成功して以来,長くガラス素材を世に送り出しており,現在では FRP 用ガラス繊維として世界最高峰と評判です。その創業は,1898(明治31)年の郡山絹糸紡績株式会社(郡山)の設立にまでさかのぼり,120 年以上の歴史を誇る,トップメーカーです。

当社はこれまで,内外を問わず,様々な事業者のガラス繊維について、FRP のテストプレートを作成して名古屋工業研究所等で性能試験を何度もしてきましたが、本当に信頼できる FRP 製品を作りたければ日東紡のガラス繊維は是非使いたい・・・、と思える優秀な性能を備えています。

世界最高水準同士の素材の組み合わせ

素材そのものが一流であっても,相性によって思ったような性能が出ないという現象が起こることがあります。同時使用すると単純にかけ合わせた性能が出ない,これは工業・ものづくりの世界では頻繁にあることで,だからこそ,各社は時間と人とお金をかけて,検討や試作,検査を繰り返します。特に日本では,系列とよばれる事業者グループが互いに情報を公開しあい,評価・検討を合同で綿密に行うことで,高い品質を確保してきました。最近でこそ,ものづくりの担い手同士が綿密なすり合わせをすることを得意としてきたこうした日本企業のやり方が,時間がかかる,創造性が発揮しにくいと批判されるようになりましたが,高い品質の源のひとつとして,こうしたすり合わせ型のものづくりが力を発揮したことは間違いありません。

ところが,私どものような規模の小さな会社が世界トップクラスの事業者とすり合わせをしてものづくりをするというのはあまり現実的ではありません(とはいえ,一部の素材については,当社だからと特別にご提供していただいている原材料もありますが)。下請け事業者でしたら,親会社や取引先事業者から指定された材料や手法を使うことになることが多いのですが,当社のような独立した企業,特に最終製品を生産している企業は,自社で品質確保をする取り組みをしなければ,誰もその品質保証をしてくれません。

しかし,これまでの一般的な市場での評価や使用経験,上記のような自社での試験結果と積み重ねから、標準的な使用条件下で耐用年数を20年~25年とするならば、日本ユピカ製のレジンと日東紡製のガラス繊維の組み合わせは、現時点では世界最高の組み合わせだと確信しています。

価格表・カタログ

価格表・カタログ

最新のカタログ・価格見積書が
ダウンロードできます

価格表・カタログ

CONTACT
お問い合わせ

お気軽にご相談ください。