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新商品「はねあげフロート」について

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オーパ・クラフトの社長ブログ

オーパ・クラフト~~オーパ・クラフトの社長ブログ~~新商品「はねあげフロート」について

新商品「はねあげフロート」について

「はねあげフロート」の開発コンセプト

  • オーパの分割式ボート船体と同様,フロートにあっても,耐久性・耐侯性・柔軟性・軽量性といった卓越した機能と利便性と安全性を高度に鼎立させる。
  • そのために,支える船体にかかる力を十分に検討し,フロート素材,船体との接合方法や接合素材等を構造力学・材料力学の両面で検討する。

これらは、オーパが手がける製品において常に心がけている必須の課題です。このようなこだわりが、何年もの時を経て、商品へと昇華していきます。

オーパ・クラフトは、長年、「人命に直接関わる重要保安部分は、各種の強度試験を繰り返した後に、決して他社への製造委託をせずに、自社内できめ細やかな検査体制を構築して製造・販売する」ことを最も大切な柱の一つとしてきました。
より進歩した強度・耐久性を求め、常に試作と設計変更を繰り返し、実際の生産にあっては最新の注意をはらいつつ、新たな検査工程・検査方式を作り出すなど、船体や部品の設計、製造及び検査工程を変革してきました。こうすることで、より一層安心していただける分割ボートをオーナー様のもとへお届けできると信じ、製造スタッフと共に協議を重ねながら、日々生産・品質管理の改善をしております。

「はねあげフロート」の現状

2016年に弊社が発売いたしました業界初の「はねあげフロート」は、おかげさまで大変ご好評をいただいております。
弊社が18年をかけて開発してきた「はねあげフロート」は、最高に便利だからこそ使うことが当たり前となる安心なミニボート必須の装備品として、特別な広告・宣伝をしていないにもかかわらず、固定式ではなく「はねあげフロート」を、との指名注文がほとんどを占めるようになってきました。
その魅力がより多くの方に伝わり、ボートの安全性が高まっていくことがオーパの願いでありますが、この点、ご友人等に勧めてくださった既存ユーザーの皆様に厚くお礼申し上げます。

「はねあげフロート」開発着手の経緯

はねあげフロート」を、小規模企業でありながらも世界に先駆けてでも開発しなければならないと強く意識したのは、固定式フロートの開発に着手した段階からでした。フロートのような安全に関わる装具は、当然のことながら、ユーザー様に実際に使用していただかなければ意味がありません。
しかし、船体の脇にとりつけるフロートは、安全性の向上に非常に貢献するものの、走行時には抵抗となるため、ネジ止め式など手間がかかるものは、すぐに装着率が下がるのではと懸念いたしました。そういうわけで、オーパのフロートは、丈夫で長持ちな素材、豪華クルーザーを何年も守り続けるフェンダーフロートを基本素材とし、ワンタッチ脱着、所要時間10秒以内という世界初の仕組みの固定式フロート「オーパ・クラフト オリジナルフェンダーフロート」をまず開発したのです。

しかし、たとえワンタッチ装着といえど、本当に海況が穏やかなときには、脱着の一手間を惜しんでわずかながらも装着しない方がいらっしゃるのではという懸念は拭えませんでした。というのも、たとえ脱着の手間がほとんどなくても、走行時の抵抗感は装着時とそうでない時とでは明らかに異なります。

実際、固定式フロートの発売後、実際の使用率をお客様に機会あるたびに尋ねましたが、脱着がほんの10秒程度で済むオーパ・クラフトのフロートは幸い、95%を超える方が、装着してからの出船とお答えいただきましたが、裏を返せばたとえ数%であったとしても、お使いいただいていない方がいらっしゃるわけで、その理由は、やはり走行時の違和感が原因であろうということになりました。

この走行時にフロートが抵抗になることの違和感については、固定式フロート開発着手当時から懸念していた材料でもありました。しかし、いきなりその課題解決のために徒にハードルをあげるよりは、まずは固定式でいこう、小型ボートのお客様の安全性にフロートが絶大な効果があることを実証しようという思いで、固定式フロートの開発に邁進する一方、必ずや理想のフロートを開発しようと、はねあげ式の開発を並行して進めていきました。

「はねあげフロート」の課題と試行錯誤

技術面、開発者の視点で見た時、固定式と「はねあげフロート」の決定的な違いは可動部の有無です。走行時にはフロートが水面に触れていない状態でありながら、万が一、船体の姿勢が不安定になってはねあげられたフロートが着水しても、十分な浮力で船体を支え続ける。可動部が増えるということは、それだけ、強度や安全性、メンテナンス性、利便性を実現するための技術のハードルを上げることになります。

強度については、柔軟かつ丈夫なステンレス鋼棒の二本を基本として採用しました。これにより、船体から距離を置くことによってフロートにかかるより複雑な前後左右、上下からの様々な力に耐え抜くことができます。ガチガチに固定してしまうと、それだけフロートを支える本体に大きな力がかかってしまいますが、二本の鋼材で分担して支える構造そのものが、力を逃がす、耐え抜くという課題実現を支えています。

安全性については、様々な想定課題がありました。フロートや保持具が壊れないという意味での安全性は、これまでの固定式フロートの実績や検証、上述のような衝撃試験を重ね、十分な安全係数を設定することで確保できますが、一方で、可動式であることから、指や手を挟まないかなどの心配もありました。こどもの指の太さが入り込んで挟まれるような隙間ができないよう、ハンドル保持部と船体との空間を確保することや、可動部のロック機構の握り玉やその把持部についても、様々な部品や設計を試しました。

メンテナンス性については、可動部の追加によって発生する隙間に、海水が入り込み、塩が固着するという問題が考えられましたが、分解しやすくしてお客様自身に簡単に洗っていただけるような構造にすることで解決することにしました。もっとも、分解しやすくするということは、それだけ、異物が入り込んだり、組み上がりの際にしっかり組み上げない状態になってしまうという心配がありました。そこで、材料選択や、部品かみ合わせ部のわずかな角度の調整など、様々なタイプを試しました。

利便性については、調整に最も苦労したところでもあります。跳ね上げた状態では全くボートの推進のじゃまにならず、フロートをさげた状態では確実にボートを支える、ほんのちょっとの操作でこれらが確実に切り替わる、従来の固定式フロートのソケットがそのまま使える、などなど、いくつもの課題がありました。

下記の写真は、こうした試行錯誤の最終段階の頃に施策した部品群です。写真ではほとんど違いがわからないかと思いますが、それぞれ微妙に素材の種類や長さ、大きさ、穴の深さや大きさ、形、角度などが違った部品であり、その違いを実際に海の上で使って確かめていた頃のものです。試作品の製作には、国の補助事業を活用させていただきました。幸い、フロート付きボートの開発・生産・販売事業が経済産業省様の「地域資源活用プログラム」の事業認定を受けておりましたので、試作品の製造費用などを補助金で一部まかない、小規模企業でありながらもしっかりと成果を出すことができました。

「すべての小型分割式ボートを転覆防止用フロートつきで販売する」業界初の決断

安全性向上への挑戦の一つとして、オーパ・クラフトは、2018年より、個人ユーザーのお客様への分割ボート販売にあたり、すべて転覆防止用フロートをつけた状態で販売をする、つまりフロート無しのボートはご注文を受けないとの販売方針を実行にうつしました。フロート込みのみでの販売はお客様からどのような反応があるか、心配いたしましたが、実質的な安全性向上策として、避けては通れないと考えたからです。

FRP製やアルミ製など硬質材料を船体素材に使ったリジッドタイプ小型ボートの弱点は、中・大型の船や、船体周囲を空気室で覆うゴムボートに比べ、風波や乗員の重心移動の影響で船の姿勢が不安定になりがちになることでしたが、フロートを装着するだけで大幅に安全性が向上いたします。これは、長年の小型舟艇向けフロートの研究・開発・製造・販売を通じて弊社が実感していたことではありますが、また、海上保安庁様が調査されている海難に関する調査において、ここ五年間、リジットタイプのボートにおいて発生している転覆浸水事故88件のうち、メーカー各社が製作・販売したフロートを装着しているボートは、その中には含まれていないという事実からも、フロートの装着による小型リジッドタイプのボートの安全性向上は、たいへん大きな効果があると確信致しております。

40年以上に渡り、数千艇の分割式ボートを世に送り出してきたボートビルダーの弊社としましては、ボートのみならずフロートを小型舟艇の安全性を確保する上での必須装具とし、ボートのみでは販売しないようにすることは、ボートというものに対する見方を変える大きな決断ではありましたが、かねてからの念願であった、「フロート装着を義務化することで、すべてのオーナー様の安全性を平等に追及する」ことを具体的な商品・経営のあり方でお示しすることは、業界のリーダー的立場となったオーパ・クラフトの取るべき行動として、当然の着地点であるとも考えております。何卒、ご理解を賜りたいと存じます。

今後の動き

現在、オーパ・クラフトでは、「一切迷うことなくフロートを装着してから出船していただく」というボートメーカーとしては前人未到の課題を満たすべく、引き続き、理想のフロートの姿をとことん追求することを続けております。この安全思想の大きな柱を具体的な商品として結実させたのが「はねあげフロート」ですが、幸い、かなりの割合のお客様にこうしたオーパの願いをご理解いただき、「はねあげフロート」を多くの方が選んで頂いていることに、二重、三重の喜びを感じております。弊社にとりましては小型ボートの安全対策の要であり、世界的にも類を見ない「はねあげフロート」から生み出される笑顔を、もっと豊かにできないかと、いろいろチャレンジしてみたいと思っております。現在、新商品として結実させるべく、様々な準備を行っております。皆様方のご期待を超えるようなものをご提供できる日が来るのを楽しみにしております。

そして、引き続き、機会あるごとに、「転覆防止用フロートの装着を国レベルでの推奨品に格上げ」し、「国の関係機関が、フロートについて、業界とともに救命胴衣と同様の装着率向上を進めていただきたい」と訴えてまいる所存です。小型リジッド型ボートの根本的な弱点を解決するには、フロートは必須であり、すでにその有効性は、前述の通り、単にオーパ・クラフト単独の長年の研究・研鑽・実証のみならず、公の調査報告に記されている全国的な調査結果としてのデータにも裏付けられております。近い将来、公的な基準の見直しなどの際に、小型船の安全性の要素としてフロートをとり入れられていただければと期待しております。

2019年の新年の挨拶執筆を期に、発売後の状況などを大幅に追記 2019.01.01

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