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オークション等での中古艇取引に関する注意喚起

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オーパ・クラフト~~お知らせ~~オークション等での中古艇取引に関する注意喚起

オークション等での中古艇取引に関する注意喚起

 まもなく2024年も終わりを迎えます。毎年この時期に、1年のふりかえりと新年の抱負を公式サイトに掲載しており、今年も原稿を書いていますが、この1年を振り返っていて、あらためてみなさまにお知らせしたほうがよいと強く思うことがございます。製品の利用時の安全性を第一に考えるメーカーとして常に気がかりなことであり、実際に被害に遭われる方々が毎年いらっしゃることに関わる内容です。

今年も多く寄せられた中古艇にまつわるトラブル

 これまでも何度も注意喚起してまいりましたが、この1年間もオークション等で〖オーパ・クラフト製を騙った偽物や、購入から25年以上経過したかなり劣化した艇〗をご購入されてしまったなどの声、また、通販サイトにてあまりにも廉価な他社製FRPボートをご購入され、結果として全く想定していなかった危険な、または過酷な状況に遭遇されてしまった方々の声をお聞きしてまいりました。

進化し続けてきたオーパ・クラフトの小型船艇

 当社の分割ボートは、販売開始以来50年以上に渡り、外観につきましてはわずかな変更に留め、これまで受け継いできた温かみを感じる丸みを帯びたフォルムを敢えて大切に残してきました。しかし船体の内部構造につきましては、逆に数十カ所に及ぶ構造変更や強度アップをひたすら繰り返してきました。その結果として、一艇を造り上げるまでの工程としては実に100工程を超える加工となっております。25年前の艇からすれば全工程数(フロート&ドーリーなどの加工を含む)として約2倍となっております。つまり外観はほぼ変わらずとも中身はかつてのオーパ・クラフトの艇とはまるで違う別格の艇となっています。外観だけでは新旧の違いがわかりにくいことで、本当に当社製の艇なのか、何年ほど前の艇なのかが、(特に画像だけでは)判断しにくいことが、こうしたトラブルが発生する要因の1つとなっている面があります。

 お客様のご安全を第一に考え、同時に使いやすさも考慮した結果、製造工程数が大幅に増加いたしました。また、このところの度重なる原材料の高騰によりコストアップにつながり、結果として価格も上げざるを得なくなっております。その価格上昇に対しても、その上昇分以上に艇としての価値をしっかりと認めてくださり、「頑張っている自分へのご褒美として、また、人生最後の自分への大きな贈り物として、オーパクラフト製の分割ボートを強く望んでいる。」との多くの声をいただき、大変ありがたく思っております。全国のお客様にまさに50年をかけて積み上げてきた世界に誇れる分割ボートをお届けしたいとの想いを大切にしてきました。

 より安全に、より快適に。そのような理由で、数十回のバージョンアップを積み上げてきた当社といたしましては、25年以上前の古えのボートが異常と思われるほどの高値で売買をされること、加えて、紫外線を長年浴びるなどして、性能が経年劣化以上に低下したボートであるにもかかわらず、「見た目が現在製造されているボートとあまり変わらないから、きっと性能も安全性もさほど変わらないだろう・・・」と判断(誤解)されることに断腸の思いを禁じ得ません。どうぞくれぐれもご注意を賜りますようお願い申し上げます。

FRP(繊維強化プラスチック)の耐用年数

 FRP(繊維強化プラスチック)の経年劣化及び耐用年数について少しご説明いたします。

 FRP関連業界団体が表しているFRPの標準的な耐用年数(標準的使用条件に基づく)は、20年から25年です。しかし紫外線を強く浴びていた場合や、または夏季にかなり高温になる金属性格納庫の中に保管されていた場合については、5年から10年程、耐用年数は短くなると報告されています。実際の強度について申しますと、30年前のFRP製品は、新しい製品と比較すると一般的に約50%の強度にまで劣化していくとされています。

 もう少し説明を加えますと、FRPは、ポリエステル接着剤と、強化するためのガラス繊維の、2種類の材料から構成されています。ポリエステル接着剤については、8年〜10年を超えると急速に劣化スピードが速まります。日用品として使うポリエステル製バケツが10年ほどで経年劣化によるひび割れを起こしてくることと同じ現象です。芯材のガラス繊維の耐用年数が50年以上とされていますので、トータルでのFRPの耐用年数は20年から25年とみなされていますが、長時間にわたって紫外線を浴びていたり、高温になる保管庫で保管されていた場合は、これよりも早く強度が下がります。

避けられない強度の経年劣化

 当社の艇で申し上げますと、特にジョイント部分の強度は、現行の艇は30年前のものと比べて約2.5倍に強化しております。逆に言えば、たとえオーパ・クラフトの純正のボートであっても、30年前の艇のジョイント強度は、経年劣化と製造方法由来の違いにより、現行モデルの艇のものと比較して約20%の強度しかない、ということになります。

 ましてや、当社の外観のみを真似たボートや、ボルト・ナット式や金属フックなど衝撃荷重が集中して船体・部品が破損しやすい方式の締結を採用しているボートは、当社としては非常に強度に不安を感じます(当社の噛み合わせ方式でネジを使用している部分は、大きな力がかからない部分です)。実際、水面に船体をおろしただけで締結部が壊れた、数回使っただけで締結がとてもしにくくなってしまい、無理やりねじ込んでいる、などのお話を伺うことが度々あります。

 また仮に、他社様のボートが初期性能として必要な強度を持っていたのであったとしても、FRPについては前述しました通り、数十年単位で考えれば確実に強度は落ちますので、荷重を分散させない安易な取り付け方法で締結部品がFRP船体に固定されているとしたら、その取り付け部の船体側で破損することが懸念されます。また、締結部そのものが金属製である場合、繰り返す荷重付加によって金属疲労が起こり、部品そのものが短期間のうちに破断する懸念があります。

中古艇の売買は慎重に

 以上のことを勘案いたしますと、本当に強度が必要な部分をおろそかに扱っている偽物や船体外観だけを真似た商品はもちろんのこと、たとえ製造当初はその時点で世界最強クラスの強度を誇る当社の艇であったとしても、25年以上前のものであるならば「名前の通ったオーパクラフト製のボートだから」という理由だけで20万円以上の高値で購入される事は、おすすめできかねます。特に小型ボートは、乗員の皆さんの安全性に深く関わる乗り物だからこそです。

 このような高値の取引がつづいてしまうのは、販売しているオーナー様の側にも、こうした強度の変化をご存知なかったり、あえて知らぬふりをして出品されることがあるのではと推測いたします。こうした場合、買う側に技術的な知識・経験が不足していると、思わぬ事故を自ら招きかねません。

 ですので、当社の中古艇をご購入・販売されようとする方は、間違いなく当社製の艇である場合であっても、どうぞ耐用年数を頭に入れながら保管状況を確認するなどし、適正な使用期限を見つけていただきたいと思います。

 当社の艇を強くご要望いただくことは、メーカーとして大変ありがたいことではございます。ですが、やはりオークションで出品されているものの多くは当社製でない場合が多く見受けられ、当社といたしましてはオークション等で当社製とうたわれた中古艇をご購入されることは全くお勧めできません。十分にご注意くださいますよう重ねてご案内申し上げます。

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