先日,オーパ・クラフトが開発した新商品が納品されました。されたというのは,オーパが開発した装置が,別の会社さんのより大きな新商品の一部として使われる,という構造だからです。下請けとしてではなく,別々の新商品を組み合わせているというイメージですが、実際に開発・製作したのは,スポーツ競技大会で薬物摂取などがないかを調べるドーピング検査のための検体採取装置です。
写真はその採取装置が,検査を実施するための特殊車両に装着された状態です。東京オリンピック・パラリンピックが開催予定ですが,そこで世界トップクラスのアスリートたちに使用してもらうためのものです。体格の良い人や,身体の動きが一般の人とは違う人達の使うものですので,丈夫さやしなやかさが求められます。また,メンテナンスのことも考え,楽に移動ができるよう軽量化もはかっています。
こうした軽量かつ安全,使い勝手の良い検体採取装置とするため,いつもの通り,オーパ・クラフトならではのFRP技術,異種材料の接合技術などを駆使して開発しました。
こちらはその検体採取装置が設置された場所の風景です。大きなトラックの中に個室があり,こちらで検査を受けていただくことになります。ちらっと見えていますが,装置の中には検体を包み込む袋の材料が入っています。採取が済むと,自動的に袋が成形・密封されます。
この試料を入れる袋の成形・密封の機構は,すでに市販されている介護・防災用品が組み込まれています。ワンプッシュで,他の試料と混ざったりすることのないような試料が採取できる装置です。
こちらはその検体採取装置が設置された場所の風景です。大きなトラックの中に個室があり,こちらで検査を受けていただくことになります。ちらっと見えていますが,装置の中には検体を包み込む袋の材料が入っています。採取が済むと,自動的に袋が成形・密封されます。
この試料を入れる袋の成形・密封の機構は,すでに市販されている介護・防災用品が組み込まれています。ワンプッシュで,他の試料と混ざったりすることのないような試料が採取できる装置です。
実際に装着されたのはこちらの特殊車両。関東の特殊車両メーカーで製造されたもので,こちらのメーカーさんでは,消防車や放送局向けの大型中継車など,様々な特装車が製造されています。
今回オーパ・クラフトが設計・製造した検体採取装置が取り付けられた車両は,公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構(JADA)に納品されました。JADAはオリンピックやパラリンピックだけでなく,国内で開催される幅広い種目・大会で検査をされているとのことで,今回納品した製品も,様々な場面で使われることでしょう。
この商品の開発は,経営への助言をいただいている方からもボート事業に集中すべきだと随分反対されましたが,社会的に意義のある重要な商品であり,覚悟を決めて取り組みました。企画・設計では,高名な工業デザイナーさんのご協力もいただいた他,何十万回にもわたる衝撃試験などを行うなど,手を抜かず,安全で利便性の高い,オーパ・クラフトらしい商品ができました。1年半ほどの取り組みがようやく形になり,納品までおわって,ほっとしています。
ボートの納品でお待ちいただいているお客様には申し訳ありませんでした。商品開発でボートの納期に影響が出ないようにしてまいりましたが,もともと工房として職人気質の強いオーパ・クラフトは,手を抜かない良質なものづくりをめざしています。
安全・安心なボートをお待ちいただいている皆様,オーパの取り組みにご理解・ご支援をいただければ幸いです。