謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
旧年中は、オーナーの皆様をはじめ、関係者の皆様他本当に多くの方々にお支えいただき、大変お世話になりました。スタッフ一同、心より御礼申し上げます。
この一年を振り返りますと、今なお復興の道半ばにありながら、日々懸命に前を向いて歩み続けておられる方々の姿に、あらためて胸を打たれる思いがいたします。社会の一員として、心より感謝と敬意を表したいと思います。
また、大阪・関西万博に象徴されるように、社会全体が少しずつ明るさを取り戻そうと、多くの方々が力を合わせて努力を重ねられた一年でもありました。その空気感を、私自身も随所で感じておりました。
スポーツの世界では、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手の活躍が、今年も多くの感動を届けてくれました。異国の地で、想像を超える重圧と大きな怪我による不安を抱えながらも、決して下を向くことなく、一歩一歩前進し続ける姿。その姿勢は、決して自分のためだけではなく、常にチームメイトを思い、励まし、支え合うものでした。その結果として手にした二年連続の世界一という快挙は、多くの人の心に、勇気と希望の灯をともしてくれたのではないでしょうか。私たちもまた、その勇気を胸に、いただいた感動をほんのわずかでも社会にお返しできるよう、日々の仕事に向き合っていきたいと考えております。
防災艇事業においては、この一年は当社にとって大きな節目となる年でした。
全国に広いネットワークを持つ消防・防災専門商社【株式会社赤尾】様と、同じ未来を見据えた協業体制を築くことができたことは、私たちにとって大きな励みであり、新たな挑戦への扉でもあります。
これまで当社だけではなかなか手が届かなかった分野や新しい開発にも、より積極的に取り組める環境が整いつつあります。防災艇という「もしもの時に命を守る存在」を、より多くの現場へ、より確かな形でお届けできるよう、これからも誠実に歩みを進めてまいります。
関係者の皆様、ならびに今後新艇をご購入いただくお客様におかれましても、引き続きご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
オーパ・クラフトは、
「感動と喜び、そして最高水準の安全性を提供する」
という想いを胸に、55年間、ボートづくりと真正面から向き合ってきました。
FRP製ボート本体については、100を超える工程すべてを自社工場内で行い、一艇一艇、手と目と心をかけて仕上げています。
これまでに8,000名を超えるお客様へ艇をお届けしてきましたが、艇の破壊に準ずるような大きなクレームが起きていないことについては、自社工場内での一貫生産が機能した証として受け止めております。
この30年間、私たちが一貫して追い続けてきたテーマは「総合的な安全性」でした。
その象徴ともいえる【転覆防止用ミラクルフロート】は、すでに約1,000名のオーナー様にご使用いただいています。関係機関や調査関係者の方々からも、「フロートを使用した艇の転覆を起因とした死亡事故が確認されていない」という報告をいただいており、確かな手応えを感じています。
安全性の探求と並行して、私たちは利便性の向上にも継続的に取り組んでまいりました。実は、この利便性の高さこそが、総合的な安全性向上と密接に結びついていると考えています。
代表的な開発品である【オリジナルフロート】が約10秒で装着可能となるまで、長い歳月をかけて開発を続けてきた理由は「安全装具は、装着が煩雑であれば必ず装着率が下がる」という考えに基づいています。
さらに、1秒で跳ね上げ可能な構造を追求したのも、航走時の減速や飛沫の増加が装着率低下につながることを防ぐためでした。
こうした一見目立たない利便性の積み重ねこそが、総合的な安全性を支えていると私たちは考えています。これまでの安全性探求の歩みをまとめた資料も、別途公開予定ですので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
オーナー様が10年、20年と長きにわたり愛艇として大切に使い続けてくださることに、スタッフ一同、深い喜びと感謝の気持ちを抱きながら、日々の製造に取り組んでおります。10年、20年と、愛艇として大切に使い続けてくださるオーナー様の存在は、私たちにとって何よりの励みです。
「この艇にしてよかった」
その一言のために、これからも当社では、一艇一艇と真剣に向き合ってまいります。
この一年、レジャー艇事業においても大きな転換点を迎えました。
日本最大級のマリン用品商社であり、全国7カ所のマリーナを運営する【㈱ユニマットプレシャス】様と、新たな協業体制がスタートいたしました。
現在は、関連組織であるユニマットマリンのオンライン販売にて、正式な取り扱いが開始されております。「薄利多売ではなく、本当の価値をご理解いただけるお客様へお届けしたい」
この想いを大切にしたいという考えから、プレステージ艇としての展開を選択いたしました。
今後は展示会や試乗会などの機会を通じて、これまで十分にお伝えしきれなかった当社艇の魅力を、より直接的にお伝えしてまいります。
2026年は、㈱赤尾様、㈱ユニマットプレシャス様という、それぞれの分野でトップランナーとして活躍される一流企業様との協業に、引き続き誠心誠意取り組んでまいります。
また、オーナー様が年齢を重ねていかれる中で、体力の変化とも無理なく向き合えるような、新たな利便性の追求にも、これまで以上に力を入れてまいります。
2026年も、オーパ・クラフトは「適切なルール」と「一歩踏み込んだ安全意識」を大切にしながら、安全で、快適で、心が豊かになる分割ボートをお届けしてまいります。
どうか本年も、陽光がきらめく穏やかな海で、静けさに包まれた湖上で、心地よい風を感じながら、日々の疲れをそっと手放していただけますように。
そして、明日へ向かう勇気を、少しでも感じていただけましたなら、これほど嬉しいことはありません。
2026年が、大きな災害のない、穏やかで明るい一年となりますように。新しい年が、皆様にとって実り多く、心豊かな一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。
OPACRAFT
代表取締役 福庭正宏