本格的なボート釣りシーズンを迎え、オーパ・クラフトの動きも慌ただしくなってきました。昨日・日曜日はお引渡しやご注文のお客様のほか、常連のお客様や新商品の部分加工をやってくださる事業者さんらといろいろな打ち合わせをしていました。
2019年の新オプションもほぼ完成し、お引き受けいただいたお客様にモニターをしていただく手はずも進めています。写真は現在開発最終段階にあるオプションの部品の設計図の一部分です。だいたい構想段階でおおまかな概念図を描き、おおざっぱな強度計算や使い勝手の検討をした上で、詳細設計に入っていきます。当地愛知県は自動車産業の集積地でもありますので、お客様や取引先様にもこうした技術の検討の相談にのってくださる方も多く、頻繁に検討するものですから、手書きでささっと描いてその場で打ち合わせという場合がほとんどです。
オプション関係は機械屋さんとの相談が多くなりますが、生産技術や化学関係の方と打ち合わせすることもあります。FRPの成形には、雰囲気温度や気圧、ガラス繊維の表面の状態など様々な条件によっていろいろなことを調整しなければなりません。原材料として入荷する硬化剤や有機溶剤なども荷口(ロット)によって微妙に特性が異なりますので、入荷時に確認試験をしていつもと同じように使ったらよいかどうかをテストし、いつもと挙動が違えば、何が原因だろうかと化学的な検討もしていきます。
そして最終的な商品になる前に、安全性の確認やデザインの調整なども加えていきます。引張試験や曲げ試験、振動試験など、必要に応じていろんな試験を使い分けます。自社内でやることも多いですが、ときには公的な試験所を使わせていただいたり、大学などに協力を求めたりすることもあります。
一方で、デザイン上の調整もあります。機能面・形状面で、使い勝手がそがれないよう、無意識のうちに扱って怪我につながらないようなものにしなければなりませんし、視覚面、つまり全体の統一感や、どのような利用シーンで使っていただくかに応じた色使いや形、素材、表面処理をえらばなければいけません。気が付かれた方もあるかとおもいますが、ボートに貼っているオーパ・クラフトのロゴシールも、デザイン全体が変わっただけでなく、大きさや色使いもかわりました。ボート全体のデザインについても、オーパ・クラフトの理念やコンセプトの変更に合わせ、少しづつ変化させています。資金力のある大手のように一気に変えるわけにはいかず、できることからコツコツとという感じです。長年、直売でレジャー艇を販売してきましたので、お客様とこうした検討の経緯や改良のアイディア出しについて話をさせていただく楽しみもあります。
最近はそれに加えて、販売ツールの検討もしなければなぁと考えています。しばらく変化のないオプションやボート本体のチラシの刷新や、公式サイトのデザインの変更、専門紙誌への広告出稿やパブリシティにつなげるための情報提供など、検討することは山積しています。フロートつきの販売をうたっているのに、外向きに使っている写真の多くがフロートなしのボートだったり、固定式のフロートだけだったりするので、これらも徐々に変えていく予定です。