重心が低い「底板方式」だから、確かな安定感がある。
より安定した小型ボートにするには、何が必要だろうか。そんな視点から開発を進めた結果、オーパ・クラフトが着目したもの。それが「重心の位置」でした。小型ボートは、船底に近いに荷物を置けば重心が低くなり、少々揺れても転覆しなくなる。この事実をふまえつつ、漁師さんからのアドバイスも加味しながら開発を推進。現在の「底板方式」を採用するとともに、独自の船型にたどり着きました。
たとえば、ボートに椅子を設置した場合、重心が高くなり、とても不安定になります。しかし、オーパ・クラフトは「底板方式」であるため、いざというとき底板に座ることができます。つまり、人が一番重い「おもり」の役目を果たすことで重心が低くなり、安定感を確保できるのです。また底板に座ることで船の側面が壁となり、海へ投げ出されにくいというメリットもあります。こうした船の構造とともに、サイド・フロートの浮力が組み合わせることで、安全性が飛躍的に向上しています。
全周かみ合わせ方式で,万一の船体破損でも浸水の可能性が低い。
オーパ・クラフトの分割ボートの船体は,全周かみ合わせ方式。FRP製の船体同士を締結するために,貫通孔や留め具を低い位置に配置せず,万一の際に船体内への水の流入の可能性を可能な限り低くしています。
そもそもオーパのボートは頑丈で壊れにくいものですが,結合部に力が集中しにくい,全周かみ合わせ・船体外側の噛み合い方式を採用することで,より安全性を高めています。ジョイント板はこのかみ合わせがはずれないためのくさび。楔が飛び出ないよう,ボルトを通してはありますが,ボートの運用ではここの部分にはほとんど力はかかっていません。
万一、浸水しても「3点浮力体」で、転覆を予防
最近の小型ボートには、沈んでしまわないよう、船体内部や周囲に「浮力体」を備えてることが多くなってきました。しかし、この浮力体の配置が、実は問題なのです。もし、ボートが左右どちらかに傾いたとき、前後の「浮力体」が回転軸となり、クルリと横転してしまいます。そこでオーパ・クラフトでは、図のように3点浮力体を配置。これにより船体の安定感を確保しています。万一のとき、船体が水で満たされたとしても、この三点に分散した浮力によって転覆を予防。さらにフェンダーフロートを装着することで、転覆予防に絶大な効果を発揮してくれます。